FF16一週目クリア雑感

 仕事で土日くらいしかまとまったプレイ時間が取れない日々が続いたから発売から3週間くらい経ってやっとクリアした。以下、ネタバレありの雑な感想です。ネガティブな感想がかなりあるので、そういうのが苦手な人はブラウザバック~

 ちなみにどういう遊び方をしたのかというと、アクションフォーカスでアクションをサポートするアクセは全く付けず、付けたのはAP獲得量アップのをつけてたくらい。サブクエとモブハンは基本的に発生都度全消化、装備も1週目時点で最高のものをつけてクリアした感じです。

 ものすごく正直な感想を一言でいうと「期待をこえない普通のアクションRPG作品だった」。敢えて点数つけるなら60/100点。

 ゲームとしては致命的なバグやストレスフルなUIなどは全くなくて、挙げるとしても体験版配信後に巷で言われていたミニマップがないことや主人公の移動が遅い、画面が暗いなどで、僕としては個人の嗜好の範囲内の問題かなと感じた。

 なによりも問題だったのはメインシナリオの方で、正直中盤以降盛り上がりに欠けた…。体験版やその次のガルーダ戦のあたりまでは様々な伏線が張られ、次はどうなるんだろう?という期待感を持てたし、デビルタイタン戦は迫力のある戦闘演出や祖堅さんの(やりすぎなくらい我の強い)かっこいいBGMで半分笑いながら遊んだんだけど、それが終わるとかなりダレるタイミングがあり、エンディングにあまり期待の持てない展開が続きなんとなく終わってしまった印象。
 原因は登場人物(主にドミナント)の描写の少なさ。特に敵対する各ドミナントについて知れる情報があまりに限られているのはプレイヤーの僕が致命的に「ノれない」原因になったと思う。
 ベネディクタ(ガルーダ)とシド(ラムウ)の関係性は序盤に登場するキャラの掘り下げとしてはこんなものだろうなとも思う一方で、シドの存在は主人公のクライヴや隠れ家のみんなにとって物語の最後まで大事な存在であり続けるからウォールード王国から離反しここに至るまでの経緯としてベネディクタとの関係はエンディングまでにもう少し描いてほしかった。
 フーゴ(タイタン)については中盤までの噛ませだとは思うけど、ベネディクタにそこまでこだわってた理由は正直あまりピンとこなかった。ドミナントとして力を持つがゆえの強欲さからなのか、もっと別な依存をしていたのか、メインクエストを追う限りはそうした背景は見えてこなかった。恋人だと(勝手に)思ってる人が殺されたらそりゃ多くの人はブチギレるけど、二人の関係性が垣間見れるのは最序盤の1シーンくらいだし、なんならベネディクタが美人局してるだけだし、フーゴがどうベネディクタを愛していたのかが見えなかったからただ女に騙されてるだけの滑稽な男になっちゃうと感じた。せめてそれによって政局が動いてる描写もあるならその視点で楽しめるんだけど、それもなし。
 バルナバス(オーディン)は一番よくわからんかった…。メインを追うだけだとアルテマを信仰する国王で、「母(かか)様・・・」と終始言ってるってことくらいしかわからん。ロアを見ると外大陸からやってきた民で、黒の一帯に染まったしまった地域からきたがゆえに人類に救済を与えるアルテマを信仰しているみたいだけど、信仰に至る経緯や母様へどういう感情をもっているのかについてはほぼ描写がない。劇中で一番最後に戦うドミナントで、アルテマの一番の下僕であり、国民がその信仰のせいで異形の存在になってしまうくらいヤバいやつなのに一番ゲーム内での描写が少なく全くといっていいほど興味が湧かなかった。FF14の古代人のように同情してしまうとか、逆に許せない絶対殺してやる!とかそういった強い感情が湧かないただの召喚獣アビリティくれるおじさんと化してしまっていた。それとアルテマの傀儡だったスレイプニルとかいう騎士長なんだったんだ…
 ディオン(バハムート)は最終的にクライヴたちに協力してくれる実直な好青年。ディオン自身はいいんだけど、神皇がそもそもアナベラを妃として迎える理由がよくわからない。妃として迎えてから政を左右する占星術師?を裏から操って実権を握るのはわかるけど、そもそもなんで結婚する流れになったん?と思ってしまった。アナベラは最強の性技でもあんのか???あと薬売りの女の子は伏線として何度も登場するのにディオンの手当をするだけで終わりなのか?となった…。
 薬売りの女の子に限らず、全体として伏線が張られたものが特に面白く回収するわけでもないし、裏切りや「その二人が繋がるか!」といった驚きもなかった。ドラマと比較するのはジャンル違いではあるけど、ゲームオブスローンズなら裏切りや協力関係がとても濃く描かれているからFF16はすごく薄味に感じた。ゲームとしてプレイ時間や製作コストの制約・限界があるのだとは思うけど、50~60時間かけてFF16やるより各話1時間弱・全73話のゲースロを70時間で見た方が面白いんじゃないかなとゲースロファンの僕は思ってしまった…。群像劇の面白さって各国・勢力の対立だったり、裏切りや一時的な協力関係を結んだりといった目まぐるしい関係性の変化にあると思うんですよ…。特に体験版の範囲は本当にワクワクしただけに物語後半ですべてが共感も批判もする気にならないアルテマとかいう神的存在に収束していくのが残念だった。
 召喚獣がシナリオの根幹にあるって発売前のインタビューで言ってたのにベネディクタとシドを除くとドミナント同士の関係・対立も細かく描写されるわけでなく、順番にクライヴと対峙してアビリティをくれるだけの存在になっているのがとてももったなく感じた。アクティブタイムロアを見れば少しだけ、プレイヤーにも想像を補えるものになっているけど、根幹部分ならちゃんと物語中でしっかり描き切ってほしかった。クライヴだけを操作するゲームシステムの都合なのかもしれないけど、最序盤にあったジョシュア操作パートを他のドミナントでも用意してくれたらもう少し感情移入できたんじゃないかなと思う。俺もディオンになって憎いアナベラを殺したりしたかった。ムカつくキャラは何人かいたし自分自身でぶん殴りたかったよ。
 シドの隠れ家にいる主要NPCやシドの協力者についてはサブクエで丁寧に描いてたし、とても良いお話が多かった(普通に涙腺にきた)からそれをドミナントにもしてやれよ…という気持ちでいっぱい。ここまでめっちゃシナリオに批判的なこと書いたけど、サブクエは本当良いんですよ本当に。本当です。

 アクション部分については個人的にかなり評価してる。フロムゲーのような武器や甲冑の重さみたいなリアル感はないけど、DMCシリーズの爽快感はかなりあった。DMC好きな人なら絶対に戦闘楽しめると思う。
 爽快感だけじゃなく、戦闘の遊びの幅も結構あった。アクションが得意な人は回避じゃなくてパリィ主体で戦う選択肢もあるし、アビリティの組み合わせもかなり豊富で遊び方を工夫できる仕組みがちゃんと用意されてた。ただ倒すだけなら難しくないけど、縛りプレイだったり特定の戦闘スタイルにこだわろうとする人にも満足してもらえる幅はしっかりあると思う。

 最後に、シナリオについて批判的な部分かなり挙げたけど、ゲームとしてダメダメかというとそういうわけじゃなくてしっかりおもしろい部分もあるし、その意味で個人的には60点のゲームでした。ガブやバイロンおじさんとか素敵なキャラもたくさんいたし、ジルやトルガルの気持ちになると心が締め付けられるシーンも多くてFF16も好きな部分はたくさんあるんだけど、FF14の開発メンバーが作ったこと、久しぶりのFF最新作だったこと、体験版がめっちゃおもしろかったこともあってかなり期待してただけにその分、残念な気持ちになりました。俺の中で最高のRPGだった漆黒のヴィランズを越えてほしかった…。

© 2023 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

投稿者: えうげね

妖怪です

コメントを残す

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう